TOP > ONR工法とは > 開発の経過
獅子ヶ鼻大橋の現地材料試験から開発が始まりました。
当時コンクリート構造物は半永久的にメンテナンスフリーと考えられていました。
 
昭和56年頃からコンクリートの塩害、アルカリ骨材反応が問題となり始めました。
獅子ヶ鼻大橋の竣工時(昭和49年5月)から約7年経過した昭和56年度点検においてコンクリート表面に損傷が認められました。

     
獅子ヶ鼻大橋(新潟県)/昭和57年当時の損傷状況-1:全景
     
獅子ヶ鼻大橋(新潟県)/昭和57年当時の損傷状況-2:細部
昭和57年7月に調査、現地材料試験を行いました。
この調査は損傷状況の確認、原因の推定を目的とし、補修材料選択および補修工法研究のために現地材料試験を行いました。
この現地材料試験の結果と、1年後の追跡調査から耐久性に優れ、施工法の良好な材料の組合せを選択しました。
昭和58年、59年の獅子ヶ鼻大橋補修工事にこの材料が採用されました。
さらに、昭和59年9月には断面修復材の施工性、耐久性を改良するための改良試験を行いました。この材料と施工法とを組み合わせた工法を「ONR工法塩害劣化防止仕様(Part1)」とし、これを使用して昭和60年度、61年度の補修工事を行いました。
開発の大きな特長は、実験室における試験結果が良好であっても、現地環境条件に対応できないケースが多いとの判断に基づいて、現地における材料試験(経年変化)の結果から最適の使用材料と施工方法を選定したことです。
獅子ヶ鼻大橋(新潟県)/補修完成(昭和60年)
  • ONR工業会を設立。
  • 事務局はオリエンタル建設株式会社(現:オリエンタル白石株式会社)。
  • 「ONR工法アルカリ骨材反応制御仕様(Part2)」を開発。
  • 「コンクリート片はく落防止用(Part3)」を開発。
  • 「ONR工法塩害劣化防止仕様(Part1)」の建設大臣認定の技術審査証明書(審査実施機関:財団法人道路保全後術センター)を取得。
  • 平成21年にNEXCO監修構造物施工管理要領(平成21年7月)「はく落防止」に示されている規格値を満足する「ONR工法(はく落防止仕様)」(コンクリート片はく落防止用(Part3)の改良型)を開発。
  • 「ONR工法新設仕様」を開発。
  • 平成23年に「ONR工法塩害劣化防止仕様(Part1)」が、NEXCO監修構造物施工管理要領(平成22年7月)「コンクリート表面保護」に示されている基準値への適合を確認。
  • 上記適合に伴い、桁端防水へも適用可能。
昭和60年(第1号施工 獅子ヶ鼻大橋・新潟県)以来の多数の施工実績と、代表的な施工の追跡調査結果から、有効性が確認され、公的機関の証明取得と相俟って、全国的に採用されています